我が家を料理のプレッシャーから解放してくれた「一汁一菜」

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ichiju-issai

こんにちは、ダイクン(@channelsland)です。

皆さん、自宅で夕食を作るとき、何品作っていますか?本当は「たくさんの種類の料理を作らなきゃいけない」のに、忙しくて作れないと罪悪感を感じていませんか?

今日は、我が家の食事に対する考え方に大変革をもたらした土井善晴先生の著書「一汁一菜」をご紹介します。

我が家では1年ほど前からこの「一汁一菜」を実践していて、精神面でも食事面でもいいことづくめ。我が家では土井善晴さんは土井「先生」と読んでいるほど、日常生活にいい変化をもたらしてくれた名著です。

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「何皿も作れない」という罪悪感からの解放

「ハレ」と「ケ」

多くの人がハレの価値観をケの食卓に持ち込み、お料理とは、テレビの食番組で紹介されるようなものでなければいけないと思い込んで、毎日献立に悩んでいるのです。

この本では、非日常である「ハレ」の食事が今の日本の食事の標準になってしまっていると指摘しています。「ハレ」の料理は神様のために作る料理であり、日常的に食べる「ケ」の料理については根本的に考え方が異なるはずのもの。

それが戦後にかけて、日常の食卓においても「一汁菜」を中心とした「ハレ」の価値観を元にした料理にすべきという意識に変わってきてしまい、それが多くの人を苦しめているとも言っています。

たくさんの品数を揃えなきゃいけないという価値観は「ハレ」の料理であって、「ケ」の料理ではそんなことはない。

神様のために作る「ハレ」の料理に手抜きということは出来ませんが、「ケ」の料理ではそんなことはない。

「ハレ」の価値観を日常の食卓に持ち込んで、罪悪感を感じなくてもいい

そんなメッセージが書かれています。

「一汁一菜」という日常の食卓スタイル

そして日常の食事として「一汁一菜」というスタイルを提示しています。

「一汁一菜」とは、白いご飯に具たくさんのお味噌汁、それに漬物。とってもシンプル。

このメッセージは、きっとすごく多くの人の肩の荷を下ろしてくれるメッセージなんじゃないでしょうか。

特に共働きの家庭は、時間に追われて忙しい毎日の中で、何品も食事を用意するなんて至難の業ですよね。

うちの妻も手のかかる子ども2人を抱えながら、パートで働いてもらっているので、何皿も用意するなんて現実的なじゃない。でも、「本当は何皿も作らないといけないのに作れない」という罪悪感を感じていたはず。

それが、この本を読んで日常の食卓はそうでなくていいんだ!と解放されたような気持になったようです。今では日常的に一汁一菜を実践しています。

また、土日の食事は全部僕が作っているので、その中でもこの一汁一菜を積極的に取り入れています。思うに、味噌汁って繊細さが求められる料理ではないので、男の料理としても「一汁一菜」って取り入れやすいスタイルだと思います。

「普段、料理なんてしない!」って男性陣も、休日には一汁一菜にチャレンジして普段料理を作ってくれる奥さんに休んでもらうのはどうでしょう?

楽になるだけじゃない、「一汁一菜」の魅力

「一汁一菜」はただ日常の料理は品数を減らしてもいいんだ!、という後ろ向きなスタイルではありません。逆に美味しさという意味でも、栄養という意味でも、大きなメリットがある選択なんだと実践してみて実感しています。

具たくさん汁で栄養満点

よく1日に30品目は摂りましょう(今は14品目?)という指針を目にしますが、おかずの数を増やしてこれをカバーしようとすると、まぁ無理ですよね。絶対無理。

でも一汁一菜の場合は、基本的に味噌汁に「何でも入れればいい」んです。

我が家でも、冷蔵庫に残っている野菜があれば、何でも入れちゃいます。結果的に、いろんな食材が取れて、以前に比べて食卓に並ぶ食材の種類は明らかに増えました。

本の中でも触れられていますが、味噌汁って本当に不思議で、そのまま入れるだけで何でも美味しくなります。肉も魚も野菜も、何でも美味しくしてくれる魔法のような料理。味噌の力ってすごいです。

古来から僕らの祖先が口にしてきたもので、日本人に「合っている」ものだとも言えます。

季節や場所を感じる

初めのうちは毎日一汁一菜じゃ飽きるかも?という気もしていましたが、そんなことはありません。

中に入れる具でいくらでもバリエーションは作れますし、何より味噌を変えるだけで味噌汁は全然変わります。同じ具であっても、味噌が変われば別の料理かと思うくらい風味は変わりますよね。

いろいろな地方の味噌を使うだけでいろんな風味を楽しめますし、使う具材も季節のものを使うことで安くかつ四季を感じることの出来る食卓になります。

まだまだ実践できていないですが、もっと食材の「旬」に詳しくなって、栄養があって価格も安い食材を活かした「一汁」を作れるようになりたいですね。

実践方法も書いてあります

この本では食に対する考え方だけではなく、実際に一汁一菜を実践するにあたっての調理法や実例も取り上げられています。

ご飯の炊き方から味噌について、旬の野菜の取り入れ方など、食卓にすぐに取り入れたくなるようなヒントが写真付きでたくさん。

そして、その写真の美味しそうなこと!

こればかりは本を手に取ってみてもらわないと伝わらないです。是非、見てみてください。

自分のお気に入りの食器で!

毎日手に触れるもの、毎日見るものは、いいものが良いのです。余所行きのものよりも、毎日使うものを優先して、大事にしてください。人間は、道具に美しく磨かれることがあるのです。

本の中で、自分のお気に入りの食器で食事を楽しもうということも言われています。

我が家では、この本を読んでから食器の問屋街である合羽橋に出かけて、家族みんながそれぞれ自分の好きなご飯茶碗と、具たくさんでもしっかり入る大きめの味噌汁の器、そしてお箸に箸置きを買ってきました。

この合羽橋「食器選び」ツアーは思っていた以上に面白くて、軒を連ねる食器屋さんを何軒もはしごしながら、自分の好みの食器を探すのは何だか宝物を探しているみたい。まぁあっち行ったりこっち行ったり、すごい疲れましたけどね笑

やっぱり自分の好きな食器でご飯を食べるというのは、それだけ食事を「丁寧」にしてくれます。息子に和食の食事作法を教えるのにも、自分自身で選んだ食器を使って教えた方がより真剣に聞いてくれるという思わぬいい面もありました。

まとめ

この本は日本人として食に対する考え方を「きれいに整えてくれる」一冊、というように感じました。

この記事では特にハレとケの話を中心に取り上げましたが、他にも食というものの理解を深めてくれる、すごくいいことがたくさん書いてあります。本当に、この本の魅力の何分の一も伝えられていない、、、。

どんな人でも毎日食事をするわけで、そういう意味では本当に皆さんに読んでほしい一冊です。僕も、繰り返し読み返したいと思っています。

 

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